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古典的タイヒミュラー理論について(続き) [解析]

少し勉強が進んだので、まとめておきます。

・リーマン面による「タイヒミュラー空間」の定義
 リーマン面の間の同値関係によって、同値類を定義出来る。
 その同値関係とは、2つのリーマン面の間に、ホモトピックな等角同相写像が
 存在する関係である。
 その同値類のことを「タイヒミュラー空間」という。

・リーマン面による「モジュライ空間」の定義
 リーマン面の間の同値関係によって、同値類を定義出来る。
 その同値関係とは、2つのリーマン面の間に、等角同相写像が
 存在する関係である。
 その同値類のことを「モジュライ空間」という。

・タイヒミュラー空間とモジュライ空間の違いは
 タイヒミュラー空間の同値関係が、「ホモトピックな等角同相似写像」によって
 規定されているのに対して、
 モジュライ空間の同値関係は、「等角同相写像」よって規程されていることである。

・「タイヒミュラー空間」と「モジュライ空間」の定義は、同値類による分類である
 ことは同じだが、「ホモトピック」かどうかの違いがある。

・「タイヒミュラー空間」と「モジュライ空間」の比較
 「タイヒミュラー空間」の方が「ホモトピック」という条件が余分に多いために
 より豊かな内容をもち、より細かい分類理論である様だ。

・タイヒミュラー空間は、フックス群によっても定義することができる。

・ベアス埋め込みとは、
 タイヒミュラー空間を複素3g-3次元空間の有界領域内に埋め込むことをいう。
 このときタイヒミュラー空間は、3g-3次元の複素多様体の構造をもつ。
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大学新入生が数学を本当に理解するための参考書(解析編) [解析]

解析入門 (岩波全書 325)

解析入門 (岩波全書 325)

  • 作者: 田島 一郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/01
  • メディア: 単行本

夏休みも中盤ですが、最初の期末試験も済み、大学数学の厳密なやり方に躓いてしまった

新入生もいると思います。 理由は、高校までとちがって大学の数学では、いわゆるε-δ論法

による論理的に厳密な説明がなされるためであることが大きいと思います。

 厳密性を尊ぶあまり、分かりやすさが犠牲となってしまうからです。

 この本は、ε-δ論法により、実数の説明から入り、数列や級数の収束性の定義や微分・積分

の定理の証明にいたるまで、厳密性を保ちつつ、かつ分かりやすく解説された稀有な書籍です。

実は、小職もこの本のおかげで、解析には自身を持つことができました。

理系でも数学科以外では、この辺はあまり丁寧に教えられていないようなので、大学数学を厳密

に理解したい方には、お勧めです。

 


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