コホモロジーの研究方法 [コホモロジー]
コホモロジーは、代数幾何、複素多様体論、多変数函数論、超函数論、代数解析 等の現代数学を
研究する上で、必須のツールとなっていますね。
そこで、コホモロジーについての効率的な研究方法を考えてみました。
今は、下記のような素晴らしい参考書があるので、それらを有効に使って、大学1、2年生や
数学科以外の人たちが、スムーズに習得できるような方法で、上記の各分野の研究に役立つ程度
の力を付けられるようになれれば、というのが目標です。
1)単体複体と図形のホモロジー論の習得が前提となる
コホモロジーは、ホモロジーの双対的概念として登場したので、歴史的順序としても
ホモロジーの習得が先ではないかと思います。 従って、まずはホモロジーを学習し
た後、コホモロジーの学習を行うのが順序かと思います。
下記の本は、高校程度の予備知識で、理解できる様に易しく説明してあるので、初学者
が、最初に読むのに最適と思います。
参考書: (岩波全書) 田村一郎著
2)コホモロジー論の学習
下記の参考書は、高校生や社会人を対象にした公開講座をもとにしてあり、ホモロジー、
コホモロジーを視覚的に易しく説明してあるので、初めてコホモロジーを学習するには
最適かと思います。 第1章については、ホモロジー論を学習する前に最初に読むと
良いでしょう。 なお、後半は、現代数学の予備知識が必要となるので、完璧な理解は
各章末の参考書等を勉強しないと難しいかもしれません。 しかし、完全な理解が得られ
なくとも、読み進めることができるのが、本書の長所です。
数学の各分野におけるコホモロジーの構成方法をいろいろ説明してあるので、各分野
に引き込まれて行くのを感じることができると思います。
コホモロジー環、ド・ラームコホモロジー、層係数コホモロジー、エタール・コホモロジー、
モチーフ、D-加群のコホモロジー等など盛りだくさんです。
参考書: コホモロジー 日本評論社 安藤哲也編
3)コホモロジー論の全般的理解
上記のとおり、コホモロジーの構成方法はいろいろあるので、コホモロジーの一般論と
して、最後に大所高所から理解するのに最適なのが、下記の参考書です。
この本は、ある程度コホモロジー論を分かった人が、理解を深めるために読むのに
適していると思います。 初学者がいきなり読めば、撃沈されてしまうかもしれません。
参考書: コホモロジーのこころ 岩波書店 加藤五郎著