古典的タイヒミュラー理論について
古典的なタイヒミュラー理論について、少しづつ分かってきたので、
簡単にまとめておきたいと思います。
一般の方にも理解できるように、数式を使わずにいきたいと思います。
・タイヒミュラー理論とは、リーマン面の分類理論である。
・リーマン面とは、高校数学で習う複素平面を一般化した概念で
例としては、トーラスやアニュラス、開円板等がある。
トーラスとは、ドーナツの表面の様なもの
アニュラスとは、ちくわの切り口ようなもの(穴の空いた円板)
開円板とは、平らなお皿のようなもの
・リーマン面は、一次元複素多様体とみなせる。
・リーマン面の一意化とは、任意の単連結リーマン面を分類したときに
かならず、下記の3つのどれか一つの分類に属することが言えるということ。
{開円板}、{複素平面}、{リーマン球面}
・リーマン面は、作用するフックス群によって分類できる。
・フックス群とは、複素平面の上半平面H で不連続なPSL(2;R) の離散部分群,
または単位円板Dで不連続なPSU(1; 1) の離散部分群のことである。
・上半平面Hとは、複素数の虚数部分が0より大きい複素平面の一部分を表す。
つまり、複素平面の上半分を表す。
・PSL(2;R) とは、射影特殊線形群といわれる線形群を表す。
・射影特殊線形群とは、特殊線形群の元を一次変換として同じものを
同一視することでできる群。
・特殊線形群とは2次元正方行列 /a b\ で、
\c d/
行列のすべての要素が、実数で、a; b; c; d ∈ R;
ad − bc = 1 という条件を満たす群。
・群とは、集合 G とその集合上の二項演算 ⋅の組が、下記の3条件を満たす集合。
G1.(結合法則)
任意の a,b,c∈G に対して(a⋅b)⋅c=a⋅(b⋅c)
G2.(単位元の存在)
ある e∈G が存在して,任意の a∈G に対して a⋅e=e⋅a=a を満たす。
G3.(逆元の存在)
任意の a∈G に対して b⋅a=a⋅b=e を満たす b∈G が存在する。
・離散部分群とは、もとの群の不連続な部分集合であり、それ自身が群として
閉じているもの。
フックス群が絡んでくると、ちょっと難しくなりますね。
複素解析と双曲幾何と代数の3つが全て絡んでくるので面白いところではあります。
さらに、保型形式等の数論との関係も見えてきました。
リーマン面とフックス群の関係については、この本の解説が分かりやすいと思いました。
なお、最近はこの本を読みながら勉強しています。
良い本と言うのは、読むと頭が鍛えられる本のことと了解しました。
フックス群は、クライン群となるので、今回の勉強のおかげで
下記の本がなんとか読めるようになってきました。
サーストンの幾何化予想が証明されたときに挑戦した本ですが、
力不足のため、保留していたのが、読めるようになったのは、
嬉しいことです。
簡単にまとめておきたいと思います。
一般の方にも理解できるように、数式を使わずにいきたいと思います。
・タイヒミュラー理論とは、リーマン面の分類理論である。
・リーマン面とは、高校数学で習う複素平面を一般化した概念で
例としては、トーラスやアニュラス、開円板等がある。
トーラスとは、ドーナツの表面の様なもの
アニュラスとは、ちくわの切り口ようなもの(穴の空いた円板)
開円板とは、平らなお皿のようなもの
・リーマン面は、一次元複素多様体とみなせる。
・リーマン面の一意化とは、任意の単連結リーマン面を分類したときに
かならず、下記の3つのどれか一つの分類に属することが言えるということ。
{開円板}、{複素平面}、{リーマン球面}
・リーマン面は、作用するフックス群によって分類できる。
・フックス群とは、複素平面の上半平面H で不連続なPSL(2;R) の離散部分群,
または単位円板Dで不連続なPSU(1; 1) の離散部分群のことである。
・上半平面Hとは、複素数の虚数部分が0より大きい複素平面の一部分を表す。
つまり、複素平面の上半分を表す。
・PSL(2;R) とは、射影特殊線形群といわれる線形群を表す。
・射影特殊線形群とは、特殊線形群の元を一次変換として同じものを
同一視することでできる群。
・特殊線形群とは2次元正方行列 /a b\ で、
\c d/
行列のすべての要素が、実数で、a; b; c; d ∈ R;
ad − bc = 1 という条件を満たす群。
・群とは、集合 G とその集合上の二項演算 ⋅の組が、下記の3条件を満たす集合。
G1.(結合法則)
任意の a,b,c∈G に対して(a⋅b)⋅c=a⋅(b⋅c)
G2.(単位元の存在)
ある e∈G が存在して,任意の a∈G に対して a⋅e=e⋅a=a を満たす。
G3.(逆元の存在)
任意の a∈G に対して b⋅a=a⋅b=e を満たす b∈G が存在する。
・離散部分群とは、もとの群の不連続な部分集合であり、それ自身が群として
閉じているもの。
フックス群が絡んでくると、ちょっと難しくなりますね。
複素解析と双曲幾何と代数の3つが全て絡んでくるので面白いところではあります。
さらに、保型形式等の数論との関係も見えてきました。
リーマン面とフックス群の関係については、この本の解説が分かりやすいと思いました。
例題形式で探求する複素解析と幾何構造の対話 (SGCライブラリ 159)
- 作者: 志賀 啓成
- 出版社/メーカー: サイエンス社
- 発売日: 2020/05/22
- メディア: 単行本
なお、最近はこの本を読みながら勉強しています。
良い本と言うのは、読むと頭が鍛えられる本のことと了解しました。
フックス群は、クライン群となるので、今回の勉強のおかげで
下記の本がなんとか読めるようになってきました。
サーストンの幾何化予想が証明されたときに挑戦した本ですが、
力不足のため、保留していたのが、読めるようになったのは、
嬉しいことです。
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